自由 インナーチャイルド 岡本太郎
赤ちゃんの頃の記憶。
私は靴を履いている。遠くに行きたい。
どこまでも歩いてゆきたい。空を飛んでいきたい。
でもお母さんが言う「どこにもいけないの」
お母さんは、赤ちゃんを連れて自由に好きなところへいくことはできないという。
おうちから出たら生きては行けないという。
私は深く絶望する。
どこにも行けないんだ。
身体が強ばり、かたくなる。
船戸クリニックで私が掘り起こした過去の記憶。インナーチャイルド。
私は自由を求めている。とにかく自由でありたい。何物にも制限されたくない。自由を妨げられたときの怒りが非常に強い。
家族を持つことは制限を増やすことだ。
自由でいたければ、独りが一番。
なのにどうして私は独りではいられないんだろう。
誰かに愛されていなければ生きていけないんだろう。
自分で自分を愛せないからだろうか。
どうしてこんなにも自由を切望しているのだろう。
何に制限されているのだろう。
こんなに自由に生きているはずなのに、何を我慢しているのだろう。
お母さんを自由にしてあげたいのか。
本当の私を解き放ってあげたいのか。
「お母さんはお母さんで幸せになれるんです。お姉さんはお姉さんで幸せになれるんです。子供達は子供達で幸せになれるんです。貴方は、あなた自身を幸せにしてあげてください。」
船戸クリニックの細川先生に言われた言葉。
気がつくと私はいつも奥歯を噛み締めている。
岡本太郎は今の人間社会の調和について「お互いに頭を下げあって、彼方も六分こちらも六分で思ったことを我慢して、なんとなく調和してるような気がしているだけ。本当の調和は、魂と魂の本気のぶつかり合いの中でしか生まれない」
と言っていたらしい。
本当の調和が何かは私にはわからんが、
魂のぶつかり合いによる調和を感じてみたいと思った。